愛に包まれた日々【レガート堺東山】

### 愛に包まれた日々

末期がんの診断を受け、施設に入られた方がいらっしゃいました。
その方は、施設に来てからわずか60日という短い時間を過ごされましたが、
その短い時間の中で、私たちはその方の人生の一部に触れることができました。

毎日、ご親族様が面会にいらっしゃいます。娘さんやお孫さんが顔を見せに来るたびに、
笑顔が溢れ、部屋には温かな空気が満ちていました。
ご利用者様は書道を趣味とされており、その腕前は本当に素晴らしいものでした。
スタッフ一人ひとりにも、心のこもった素敵な書をプレゼントしてくださいました。

ある日、デスクの上に飾られた「愛」という文字が何枚も目に留まりました。
それはお孫さんが一生懸命に練習中ものだと教えていただきました。
まだ文字のバランス等が難しくて、漢字一文字しか書けないけれど、
その一文字にはお孫さんの純粋な気持ちが込められていると感じました。

「もっと時間があれば、孫にもっと教えてあげられたのに」と、
ご利用者様が静かに呟かれた言葉が胸に響きます。
限られた時間の中で、愛する家族と過ごすことの大切さを改めて考えさせられました。

その方から頂いた書は、私たちスタッフの心にも深く刻まれています。
大切な人とのつながり、限られた時間をどう過ごすか
――日々の忙しさの中で忘れがちなことを、この方から教えていただきました。

これからも、この瞬間瞬間を大切にしながら、
ご利用者様やそのご家族と向き合っていきたいと思います。