ALS(筋萎縮性側索硬化症)の方の入所が断られる背景と対応可能な施設探しのポイント
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- 「ALSでも施設に入れるのかな…?」
- 「人工呼吸器や吸引が必要だと断られるのでは?」
- 「制度や費用の仕組みが複雑で分からない」
そんな不安を感じていませんか?
本記事では、ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんが介護施設の入所を断られる主な理由を整理し、その突破方法や代替策をわかりやすく解説します。さらに、面談や見学で確認すべきポイント、費用の目安についても具体的にまとめました。
ALSの方やご家族が「安心できる受け入れ先を探したい」と考えるときに役立つ内容です。
「入所を断られたらどうしよう…」と悩む方も、まずはレガートケアグループで情報収集からはじめてみませんか?
ALS患者さんが施設入所を断られることがある理由

病状の進行と医療依存度(人工呼吸器・胃ろう・吸引など)
ALS(筋萎縮性側索硬化症)は進行性の難病で、運動機能が低下し、人工呼吸器や胃ろう、痰の吸引などの医療的処置が必要になることがあります。これらは医師や看護師の専門的対応が求められるため、医療スタッフが常駐していない施設では受け入れが難しくなることがあります。
次のように医療依存度が高いと、介護職員だけでの対応が難しいため、入所を断られる要因となりやすいのです。
- 人工呼吸器管理や痰の吸引が必須の場合
- 中心静脈栄養(IVH)や胃ろうを使用している場合
- 定期的な医療処置が欠かせない場合
24時間体制での看護師配置が難しい施設が多い
多くの介護施設では、看護師が日中のみ常駐しているケースが一般的です。夜間や休日は、協力医療機関の往診体制に頼ることが多く、緊急対応に限界があります。
ALS患者さんは状態変化が急に起こる場合もあり、常時看護師が配置されていない施設では、安全にケアを提供するのが難しいと判断されてしまうことがあります。
介護保険制度と障害福祉サービスの制限
ALSは「指定難病」であり、介護保険だけでなく障害福祉サービスの対象にもなります。
保険制度上、40歳以上64歳までの方でも、介護保険が定める16種類の特定疾病に該当する場合は介護保険を利用できます。ALSもこの特定疾病に含まれています。一方で、65歳未満の方は障害福祉サービス(重度訪問介護など)を中心に利用するケースもあります。
自治体によっては併用可能な場合もありますが、施設側がその制度に対応していないと、受け入れが難しいこともあります。
認知症や合併症との複雑な課題
ALS患者さんのなかには、認知症や糖尿病など、ほかの疾患を併発している方もいます。複数の症状が重なると、必要となる医療ケアや介護内容が増え、施設の人員配置や設備では対応できない場合があります。
こうした背景から、慎重な判断として「入所が難しい」とされるケースがあるのです。
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ALS患者さんが入所を断られたときに考えられる選択肢
医療連携型やホスピス型の有料老人ホームを検討する
一般的な介護付き有料老人ホームでは対応が難しくても、医療連携型やホスピス型の施設なら受け入れ可能な場合があります。これらの施設は看護師が24時間常駐していたり、協力医療機関との連携が整っていたりするのが特徴です。
ALSの患者さんに必要な人工呼吸器管理や痰の吸引にも対応できる体制を持つ施設もあり、安心して暮らせる選択肢となります。
- 看護師が24時間体制で配置されている
- 人工呼吸器や胃ろうへの対応実績がある
- 終末期(看取り)ケアに対応可能な体制がある
こうした条件を満たす施設は限られますが、まずは候補として検討する価値があります。
特別養護老人ホーム(特養)の利用可能性と注意点
特養は介護度が高い高齢者の入所先として知られています。ただし、ALSの患者さんを必ず受け入れているわけではありません。
人工呼吸器や中心静脈栄養といった医療依存度の高いケアは体制上難しい場合も多いため、事前に医療対応実績を確認することが大切です。空き状況や入所条件も自治体ごとに異なるため、早めの情報収集が必要です。
在宅介護と障害福祉サービスを組み合わせる方法
もし施設が見つからない場合でも、在宅での暮らしを続けながら医療や介護のサービスを組み合わせる方法があります。
訪問介護を活用し、必要に応じて重度訪問介護(障害福祉サービス)を併用することで、ALSの患者さんを自宅で支える体制を整えることが可能です。
家族の負担は大きいですが、地域包括支援センターや医療相談窓口と連携することでサポートを受けられます。
病院の医療相談室やケアマネジャーへの相談ルート
入所先を探すときには、家族だけで動くのではなく、病院の相談員やケアマネジャーに相談するのが近道です。ALSの患者さんを受け入れた実績がある施設を知っている場合があり、効率的に候補を見つけられます。
病院退院時に紹介ルートを確保しておくことが、入所拒否を繰り返さないための大切なステップです。
ALS患者さんの施設入所に向けた面談・見学のポイント

必要な医療処置(人工呼吸器・胃ろう・吸引)の伝え方
施設との面談では、現在必要な医療処置を具体的に伝えることが大切です。
ここでいう「医療処置」とは、日常的にALS患者さんに必要となるサポートのことを指します。例えば以下のような内容を整理しておくと、施設側が受け入れの可否を判断しやすくなります。
下記は、面談時に伝えておきたい主な医療処置の例です。
- 使用している医療機器(人工呼吸器、胃ろうなど)
- 日常的に必要な処置(吸引、中心静脈栄養など)
- 緊急時に起こりやすい症状やリスク
これらを診療情報提供書や主治医の意見書とあわせて提示すると、よりスムーズなやりとりが可能になります。
生活支援やリハビリ体制の確認
医療処置だけでなく、日常生活のサポートについても確認が必要です。
ALS患者さんは進行に伴い、移動や食事、入浴などに介助が必要となります。施設によっては理学療法士や作業療法士に加え、鍼灸師が関わり、痛みや体のこわばりを和らげるケアを導入している場合もあります。
生活の質を高めるために、どこまで支援してもらえるかを見ておきましょう。
家族の希望や面会条件をどう共有するか
ALS患者さんの入所は、家族の安心感や生活にも大きく影響します。面会の柔軟性や付き添いの可否など、施設によって対応は異なるため、事前の確認が欠かせません。
下記は、共有しておくとよい家族の希望や面会条件の例です。
- 面会の頻度や時間帯の柔軟性があるか
- 夜間や休日に付き添いできるか
- 面会に必要な手続きや制限があるか
こうした条件を事前に伝えておくことで、後のトラブルを防ぎ、家族も安心して施設選びができます。
緊急時の対応フローや提携医療機関の確認
体調が急に悪化したときの対応手順を確認することも重要です。救急搬送が必要になった場合、どの医療機関と連携しているのか、スタッフがどのように行動するのかを把握しておきましょう。
施設が明確な対応フローを示してくれると、信頼度も高まります。
ALS患者さんが施設入所する際に気になる費用と負担
有料老人ホームの費用目安(20万〜35万円前後、医療費別途)
ALS患者さんが選択することの多い医療連携型やホスピス型の有料老人ホームは、一般的に月額20万〜35万円前後が目安です(地域や設備により20万円を下回るケースもあります)。この金額には、家賃・食費・介護サービス費が含まれますが、医療費は別途となります。
施設ごとのスタッフ体制や居室の広さによっても差が出るため、見積もりを比較することが大切です。
特養や障害福祉サービス利用との比較
特別養護老人ホーム(特養)は公的な支援があるため、費用負担が比較的抑えられる傾向があります。ただし、ALS患者さんが必要とする医療ケアへの対応は施設によって異なり、受け入れが難しい場合もあります。
一方、障害福祉サービスを併用すれば在宅介護を続けながら必要なケアを受けられるケースもあります。制度の適用範囲は年齢や自治体の方針に左右されるため、具体的には地域包括支援センターや役所で確認すると安心です。
まとめ
ALS(筋萎縮性側索硬化症)の患者さんは、医療依存度の高さや制度上の制限から、施設入所を断られることが少なくありません。
しかし、その理由を理解すれば、突破できる方法も見えてきます。医療連携型やホスピス型の有料老人ホーム、障害福祉サービスの活用、在宅と訪問サービスの組み合わせなど、選択肢は複数あります。
面談や見学の際には、必要な医療処置や家族の希望をしっかり共有することが大切です。そうすることで、安心できる施設を見つけやすくなります。
「断られる不安」で立ち止まる必要はありません。まずは情報を整理し、専門家に相談してみてください。
レガートケアグループでは、ALS対応が可能な施設のご案内や、入居に関するご相談も承っています。空室状況や即入居のご相談も、どうぞ安心してお声がけください。
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