パーキンソン病患者さん向け介護施設の費用はいくら？相場と節約ポイントまとめ

そんな疑問や不安を感じたことはありませんか？

本記事では、パーキンソン病の方が介護施設に入居する際の初期費用や月額相場、公的補助の活用法から費用を抑える工夫まで整理して解説します。

安心して入居を検討したいと考えるご家族に、ぜひ読んでいただきたい内容です。

パーキンソン病と介護施設費用の基本的な考え方

パーキンソン病の進行と介護度による費用変化

パーキンソン病は、手足のふるえ（振戦）、筋肉のこわばり、動作の緩慢などが進むにつれ、介護度が高まっていきます。要介護度が上がるほど必要な介護サービスも増えるため、介護施設の費用にも直結します。

このように介護度の進行はそのまま月額費用の増加につながるため、早めに将来を見据えて費用感を把握しておくことが安心につながります。

自宅介護との違いと、介護施設を検討すべきタイミング

「まだ家で介護できるかもしれない」と考えるご家族も多いですが、パーキンソン病は進行がゆるやかでも、長期的には日常生活に大きな支援が必要になる病気です。

自宅介護の場合は介護保険サービスを組み合わせながら在宅支援を受けられますが、24時間体制で医療・看護が必要になると限界を迎えやすくなります。

特に以下のような場面は、介護施設を検討するサインとなります。

施設に入ることは「諦め」ではなく、「安心できる環境を整える選択肢」です。費用の全体像を知っておくことで、不安を前向きな行動に変える一歩になります。

公的介護施設と民間介護施設の費用比較

公的介護施設は、初期費用が不要な場合が多く、月額も10万〜18万円前後と比較的抑えやすい傾向があります。ただし、入居には要介護度などの条件があり、数か月〜数年の待機が発生することも少なくありません。

一方、民間介護施設は初期費用として数十万〜数百万円かかる場合があり、月額も15万〜35万円前後と高めになります。しかし、医療・看護体制が充実していること、空室があれば早期入居が可能なことが大きな強みです。

比較すると、公的施設は「費用を抑えたい方」には適していますが、パーキンソン病のように進行に応じて医療依存度が高くなるケースでは、民間施設の方が現実的な選択肢になることが多いといえます。

民間介護施設の種類と費用相場

有料老人ホームの費用相場

有料老人ホームは、介護や生活支援に加えて、医療面でのサポートも受けやすい施設です。初期費用として入居一時金や敷金が必要になる場合があり、数十万円〜数百万円と幅があります。

月額は15万〜30万円前後が目安で、介護サービス費や食費、管理費などが含まれます。立地や居室の広さ、介護体制によっても金額が変動します。

サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）の費用相場

サ高住は、比較的自由度の高い住まいでありながら、安否確認や生活支援サービスを受けられるのが特徴です。初期費用は敷金程度で抑えられることが多く、月額は12万〜25万円前後と幅があります。

パーキンソン病の方にとっては、自立度が高いうちは安心して生活できる環境ですが、介護度が進むと外部の訪問介護や看護を組み合わせる必要があり、結果として費用が上がることもあります。

医療対応型介護施設（ホスピス等）の費用相場

医療対応型の介護施設、いわゆるホスピスやホスピタルハウスは、重度の医療ニーズにも対応できるのが特徴です。

終末期のケアや24時間体制の看護があるため、費用は20万〜35万円前後が目安です。施設や地域によっては20万円を下回るケースもあります。

医療依存度が高い方には安心できる選択肢といえます。

介護施設にかかる費用の内訳と追加で発生する支出

初期費用（入居一時金・敷金など）

介護施設に入居する際、多くの場合「初期費用」が必要になります。有料老人ホームでは入居一時金として数十万円〜数百万円を求められることがあり、敷金として数か月分の家賃を前払いするケースもあります。

サ高住は敷金のみで済む場合が多いため、初期負担を抑えたい方に選ばれることもあります。初期費用は施設ごとに差が大きいため、事前確認が欠かせません。

月額費用（家賃・管理費・介護サービス費・食費）

毎月かかる費用の中心が「月額費用」です。主に以下のような項目で構成されます。

施設によってはこれらが一括で提示される場合もありますが、個別に計算されることもあります。費用の内訳をしっかり理解しておくことで、入居後に「想定より高くなった」というトラブルを避けられます。

医療費や生活費など別途かかる項目

月額費用のほかに、医療費や生活費といった追加支出が発生します。例えば、パーキンソン病の方では点滴や中心静脈栄養（IVH）、褥瘡処置などの医療材料費が別途必要になる場合があります。

また、オムツ代や日用品費、理美容代、レクリエーション費用なども発生することがあります。

これらは「どこまで月額に含まれるか」「実費精算になるのか」を事前に確認しておくことが安心につながります。

介護保険や難病医療費助成など利用できる制度

介護保険の自己負担割合と利用範囲

介護施設の費用を考えるうえで基本となるのが介護保険です。

介護サービスを利用した際の自己負担割合は、原則1〜3割で、収入や年齢によって変わります。施設入居時には「介護サービス費」が介護保険の対象となるため、実際の負担額は軽減されます。

ただし、家賃や食費、生活費は保険対象外で自己負担になる点に注意が必要です。

難病医療費助成（特定疾病医療費助成）の活用

パーキンソン病は特定疾病に含まれるため、難病医療費助成制度を利用できる場合があります。

この制度では、医療費の自己負担額に上限が設けられ、経済的な負担を軽減することが可能です。特に薬代や診察費がかさむ方にとっては、大きな助けとなります。

申請は医師の診断書が必要で、自治体の窓口で手続きします。

障害福祉サービス（65歳未満のケースを含む）

65歳未満で要介護状態となった場合、介護保険ではなく障害福祉サービスが利用できるケースがあります。

例えば重度訪問介護や生活介護などがあり、在宅・入居を問わず支援が受けられます。65歳を超えると原則として介護保険に切り替わりますが、自治体によっては一部を併用できる場合もあります。

若い年代でパーキンソン病が進行している方は、この制度を知っておくと安心です。

自治体の支援制度や生活保護との併用可能性

自治体によっては、独自の助成や減免制度を設けているところもあります。

また、生活保護を受給している方でも、条件を満たせば介護施設に入居できるケースがあります。生活保護の受給に伴う費用負担の扱いは、市区町村ごとに異なるため、必ず事前に役所や地域包括支援センターに相談しておくことが大切です。

パーキンソン病の方ができる介護施設の費用を抑える工夫

優先条件を整理して施設を選ぶ

費用を抑える一番の近道は、「医療体制を優先するのか」「立地を重視するのか」など、ご家族にとっての条件を整理することです。条件が明確になると、無理のない範囲で施設を比較できます。

追加費用の有無を契約前に確認する

月額費用だけで判断せず、医療材料費や日用品など追加費用の有無も事前に確認しておくと安心です。想定外の支出を防ぐことが、費用負担の軽減につながります。

専門職や相談窓口を活用して賢く施設探しをする

制度や費用の仕組みは複雑で、ご家族だけで判断するのは大変です。そんなときは専門職に相談することが最も確実です。

まとめ

パーキンソン病の方が介護施設に入居する際、費用は公的施設と民間施設で大きく異なります。

公的施設は費用を抑えられる一方で条件や待機があり、民間施設は月額15万〜35万円前後と高めですが、医療・看護体制や即入居の可能性がある点が強みです。

また、介護保険や難病医療費助成などの制度を活用すれば、負担を軽減できる場合もあります。ただし「どの制度が使えるのか」「どこまで費用に含まれるのか」は、施設や地域によって異なります。

レガートケアグループでは、パーキンソン病の方に対応できる介護施設をご案内し、費用面や入居の流れも分かりやすくご説明しています。空室状況や即入居の可否も含めて、まずはお気軽にご相談ください。