なぜ断られる?指定難病患者さんが施設入所で断られる理由と回避策

指定難病を抱える患者さんやご家族の中には、「施設に入所を断られた」という経験を持つ方も少なくありません。
- 医療依存度が高く受け入れ体制が整わない
- 看護師常駐や医療連携が不足している
- 施設種別や人員不足の影響を受けやすい
こうした理由で入所が難しくなるケースはありますが、状況により解決策が見いだせる場合があります。
この記事では、指定難病の患者さんが施設入所を断られる主な理由と、交渉の工夫・代替施設の探し方を整理。入所成功率を高めるための実践的なヒントを解説します。
指定難病で施設入所を希望しているのに、断られるのではと不安を抱えているご家族にこそ、最後まで読んでいただきたい内容です。
施設選びに悩んだら、まずはこちらから専門スタッフにご相談ください。
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指定難病患者さんが施設入所を断られる主な理由

指定難病を抱える患者さんやご家族の中には、「施設を探しても断られてしまう」という経験を持つ方が少なくありません。医療依存度が高い、夜間の体制が整っていない、人員不足など、理由はさまざまです。
ここでは、代表的な要因を整理し、どのような背景で入所が難しくなるのかを分かりやすく解説します。
指定難病患者の方が断られる理由一覧表
| 理由カテゴリー | 具体例 | 補足説明 |
| 医療依存度が高い | 人工呼吸器、吸引、胃ろう、カテーテル管理、中心静脈栄養(IVH)など | 一般的な施設では医療行為の範囲が制限されており、対応困難な場合が多い |
| 看護体制の不足 | 看護師が日中のみ、夜間不在 | 夜間の急変時に対応できず、受け入れを断るケースがある |
| 医療連携の不十分さ | 協力医療機関や往診医がない | 緊急搬送や定期診療の手配が困難になるため、リスクが高い |
| 人員不足 | 介護スタッフが足りない | 医療依存度の高い入居者が増えるとスタッフの負担が増大し、サービス全体に影響する |
| 経営上の理由 | コスト増加、運営リスク | 医療ケアに対応すると人件費や設備費が増え、経営上難しいと判断される場合がある |
| 施設種別の制約 | 特養:医療行為が制限/一般老人ホーム:介護重視 | 医療対応を前提としない施設では受け入れが難しい |
医療依存度が高いケース
指定難病患者さんの多くは、日常的に医療的ケアが欠かせません。人工呼吸器の装着、吸引、胃ろうやカテーテルの管理といった処置が必要な場合、一般的な介護施設では対応が難しくなります。
これは、医療行為を行える看護師や医師が限られており、配置基準に余裕がないからです。そのため「医療依存度が高い方は受け入れが難しい」と判断されることがあります。
看護師常駐や医療連携が整っていない施設の限界
介護施設の中には、看護師が日中のみ常駐し、夜間は不在という運営形態も少なくありません。夜間に症状が急変した場合、スタッフが対応できず、救急搬送が必要となる場面が増えます。
このため、医療依存度が高い指定難病の患者さんを受け入れるのは現実的に難しく、入所を断られる要因になります。
介護人員不足や経営上の理由
施設側の「人員不足」や「経営的リスク」も、断られる理由の一つです。
- 医療依存度の高い入居者はスタッフの負担が大きい
- 突発的な緊急対応が増え、運営コストが上がる
- 他の入居者へのサービスに影響が出る懸念がある
こうした理由から、入所希望があっても「受け入れ困難」となる場合があります。
施設種別による受け入れ可否の違い
指定難病患者さんの受け入れ可否は、施設の種類によっても異なります。
- 特別養護老人ホーム:介護サービスは充実しているが、医療行為は制限されることが多い
- 住宅型有料老人ホーム:外部の訪問看護や訪問診療を利用できるが、24時間体制は施設によって差がある
- ホスピタルハウス:医療依存度の高い方を前提にしており、比較的受け入れやすい
「断られる=どこにも入れない」ではなく、施設種別ごとの特性を理解して選ぶことが重要です。
断られても諦めないで!施設入所を成功させるポイント
診断書や医療情報を整理して伝える
入所相談の際に「どのような医療処置が必要か」を正確に伝えることは欠かせません。診断書や診療情報提供書を準備し、医師の所見をもとに症状や必要なケアを施設へ共有すると、受け入れ判断がスムーズになります。
事前に受け入れ可能な医療処置を確認する
施設によって対応できる医療行為は異なります。
- 吸引
- 胃ろう管理
- 人工呼吸器
- 中心静脈栄養
これらの対応範囲はパンフレットや公式サイトに掲載されている場合もありますが、詳細は見学や面談で確認するのが安心です。
相談時に家族が確認すべきポイント
入居の相談時に「施設任せ」ではなく、家族が主体的に確認する姿勢が大切です。
- 緊急時の対応手順(夜間含む)
- 医師や看護師との情報共有の方法
- 家族の付き添い・面会の柔軟性
これらを事前に把握することで、施設側も安心して受け入れを検討しやすくなります。
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入居を断られた際の代替施設の探し方と活用できる制度

住宅型有料老人ホームやナーシングホームの選択肢
指定難病患者さんが一般的な介護施設で断られた場合でも、選択肢は残されています。代表的なのが「住宅型有料老人ホーム」と「ナーシングホーム」です。
住宅型有料老人ホームは、自宅に近い生活環境を保ちながら、外部の訪問看護や訪問診療を利用できる仕組みが特徴です。医療依存度が高くても、訪問サービスを組み合わせれば、柔軟な支援が可能になります。
ナーシングホームは、医療ケアを前提とした施設であり、看護師が24時間常駐している場合が多く、人工呼吸器や中心静脈栄養を必要とする方でも安心して入居できます。
ホスピスや緩和ケア施設を検討する場合
末期がんや終末期にある指定難病患者さんの場合、ホスピスや緩和ケア施設が適していることもあります。これらの施設は「治療」ではなく「苦痛の緩和」と「生活の質」を重視しており、医療依存度が高い方でも快適に過ごせるように整えられています。
ただし、ホスピスは病院併設型が多く、入所期間や対象者が限られている場合があります。検討する際には、医師や相談員に条件を確認しておくことが必要です。
障害福祉サービスを活用できるケース(65歳未満)
65歳未満の指定難病患者さんは、介護保険の対象外となるため重度訪問介護を利用できるケースが多いです。重度訪問介護や短期入所(ショートステイ)などを組み合わせることで、日常生活の支援を確保できます。65歳以降は介護保険に切り替わります。
さらに、自治体によっては介護保険と障害福祉サービスの併用が認められる場合もあります。こうした制度を柔軟に活用することで、入所が難しい状況でも生活を支える選択肢を広げられます(詳細は各自治体へ確認が必要です)。
地域包括支援センターや難病相談センターでの情報収集
施設探しで行き詰まった際には、地域包括支援センターや難病相談センターを活用するのが効果的です。これらの機関は、地域の施設情報を把握しており、指定難病患者さんの受け入れ実績がある施設を紹介してもらえることがあります。(自治体の方針や人員体制により案内可能な支援が異なるため、詳細は各自治体の窓口での確認が必要)
また、がん相談支援センターなど病院内の窓口でも、緩和ケアや在宅医療を含めた幅広い選択肢についてアドバイスを受けられます。専門家とつながることで、家族が一人で悩みを抱え込まずに済む点も大きなメリットです。
まとめ
指定難病患者さんが介護施設への入所を断られる理由には、医療依存度の高さや施設の人員・経営上の制約が大きく影響しています。しかし、「断られる」ことは最終的な行き止まりではなく、適した施設や制度を選ぶことで生活を支える方法を見つけられます。
- 医療依存度が高い場合はナーシングホームや医療連携の強い施設を検討する
- 終末期であればホスピスや緩和ケア施設が選択肢になる
- 65歳未満は障害福祉サービスを利用できるケースがある
- 公的相談窓口を活用すれば情報不足を補える
大切なのは、事前に医療情報を整理し、複数の施設や制度を比較検討することです。その準備があるだけで、入所につながる可能性を高められます。
レガートケアグループでは、大阪府内で指定難病や重度医療依存度のある方を受け入れる体制を整えています。
看護師は24時間常駐し、提携医や協力医療機関と連携して緊急時にも対応可能です。ALSやパーキンソン病、末期がんなど重症のケースでも入所相談を承っております。
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