末期がんの方に適した介護施設の費用相場と補助制度の活用法

そんな悩みを抱えていませんか？

本記事では、末期がんの方が介護施設に入居する際の費用相場（入居一時金・月額利用料）と、補助制度の活用方法を整理しました。追加費用の注意点や制度を組み合わせる工夫も解説しています。

「費用負担を抑えつつ、安心できる施設を選びたい」と考えるご家族にこそ、最後まで読んでいただきたい内容です。

末期がんの方が介護施設に入居する際にかかる費用

末期がんのご家族が介護施設を検討する際、最も気になるのは「費用がどれくらいかかるのか」という点です。

大きく分けて、入居時に一度だけ必要となる「入居一時金」と、毎月かかる「月額利用料」の2つがあります。さらに、多くの施設では「医療費別途」とされる項目があるため、理解を深めておくことが安心につながります。

入居一時金の平均額（約145万円）

入居一時金は、施設に入るときにまとめて支払う費用です。一般的には設備利用料や権利保証の意味合いを持ち、全国平均は約145万円前後といわれています。

施設によってはゼロ円のところもあれば、数百万円単位が必要なケースもあります。目安を知っておくことで、初期費用の備えがしやすくなります。

月額利用料の平均額（約17.7万円／医療費別途）

毎月かかる費用は「月額利用料」と呼ばれ、全国平均は約17.7万円です。ただしこの金額は「介護サービス・居住費・食費」が中心であり、医療費は含まれていないことが多いです。

地域やスタッフ体制によって変動し、都市部や医療体制が充実した施設ほど高めの傾向があります。

「医療費別途」の意味と注意点

「医療費別途」とは、月額利用料とは別に、点滴・吸引・中心静脈栄養（IVH）などの医療処置にかかる費用を医療保険の自己負担で支払うという仕組みです。薬代や医療材料費もこの範囲に入ります。

施設によっては衛生材料や医療機器レンタルが追加で必要になる場合もあるため、契約前に「どこまでが月額に含まれるのか」確認することが大切です。

末期がんの方に対応した介護施設の費用相場（種類別）

まずは代表的な介護施設ごとの費用相場を、入居一時金と月額費用の目安で比較してみましょう。

末期がんの方が入居先を検討する際には、この相場を出発点にして、制度や個別条件を加味することが大切です。

費用比較表（目安）

施設種類	入居一時金目安	月額費用目安（医療費別途）
レガートケアグループ	11〜15万円前後	約12〜17万円前後
介護付き有料老人ホーム	0〜数百万円前後	約20万円前後
住宅型有料老人ホーム	約50〜150万円前後	約15〜20万円前後
サービス付き高齢者向け住宅	原則不要（敷金数十万円）	約10〜18万円前後
医療特化型施設（ホスピス等）	0〜100万円前後	約20〜35万円前後

介護付き有料老人ホーム

比較的スタッフ体制が手厚く、生活全般のサポートが受けられるため、安定した環境を希望する方に選ばれやすい施設です。費用は高めですが、その分「介護と生活支援が一体化している」という安心感があります。

住宅型有料老人ホーム

生活の場を確保しつつ、介護や医療サービスを外部から組み合わせる仕組みです。

表にあるように初期費用や月額は中程度ですが、訪問介護・訪問看護をどれだけ利用するかで費用が増減するのが特徴です。柔軟に組み合わせたい方に適しています。

サービス付き高齢者向け住宅（サ高住）

月額が比較的抑えられやすく、初期費用も少ない点がメリットです。ただし介護や医療ケアは外部サービスに依存するため、末期がんで医療ニーズが高い方は、想定以上の利用料が重なる可能性に注意が必要です。

医療特化型施設（ホスピス等）

終末期のケアを想定した医療体制が整っており、看護師が24時間常駐している場合もあります。表で示したように費用は高めですが、「安心して看取れる場所を探している」ご家族に適した選択肢といえます。

契約前に知っておきたい追加費用と注意点

入居一時金や月額利用料だけでなく、実際の生活ではさまざまな追加費用が発生することがあります。契約前に確認しておかないと「思ったより高くなってしまった」というケースも少なくありません。

末期がんの方の場合、医療ケアに伴う費用が増える傾向があるため、特に注意が必要です。

食費・日常生活用品費

施設によっては、月額利用料に含まれず別途請求されることがあります。 代表的なものは以下のとおりです。

これらは生活の質を保つために欠かせない支出であり、毎月数万円の上乗せになることもあります。

医療材料費（例：点滴・中心静脈栄養（IVH）など）

末期がんの方では、点滴や中心静脈栄養（IVH）、吸引などの処置が必要になる場合があります。

これらに伴う医療材料費は「医療費別途」として請求され、自己負担割合に応じて支払いが必要です。施設差は少ないものの、利用頻度によって毎月の変動が大きくなります。

看取りケアに伴う追加費用の有無

終末期のケアでは、夜間の付き添いや看護師の対応強化に追加費用が設定されている施設もあります。

一方で、追加費用を設けず基本料金に含めている施設もあります。契約前に「看取りに関する費用が発生するのか」確認することが安心につながります。

施設による差が大きいため事前確認が必要

追加費用の有無や金額は、施設の運営方針や地域によって大きく異なります。

見学や相談の際には、次のことを確認しておくことが、将来の費用負担を見通すために重要です。

末期がんの方が介護施設の費用を抑えるための制度

末期がんの方が介護施設に入居するとき、費用負担はご家族にとって大きな不安材料です。しかし、制度を上手に組み合わせることで、自己負担を抑えられる場合があります。

ここでは代表的な制度を整理します。

介護保険（要介護度に応じて一部負担）

介護保険は、要介護認定を受けた方が利用できる制度です。

施設利用料そのものは全額自己負担ですが、介護サービス部分については軽減されます。

医療保険（往診や医療処置に対応）

医師の往診や点滴・吸引・中心静脈栄養（IVH）などの処置には、医療保険が適用されます。

施設の月額利用料に含まれない「医療費別途」の部分は、基本的に医療保険の自己負担分で精算される仕組みです。定期的な診察や薬代も含まれるため、活用の頻度が高い制度といえます。

高額療養費制度・介護保険の特定疾病扱い

末期がんは「特定疾病」に含まれるため、40歳以上なら介護保険を利用できます。また、医療費が高額になった場合には高額療養費制度で自己負担が軽減されます。

ただし「難病医療費助成制度」は対象外であるため注意が必要です。

生活保護や自治体独自の助成（条件付き）

生活保護を受給している方は、介護施設への入居が可能な場合があります。また、自治体によっては高齢者や医療依存度の高い方に対して独自の助成を行っていることもあります。

生活保護に関する相談は、市区町村の生活保護課や福祉課が窓口です。制度の内容や利用条件は地域ごとに異なるため、まずはお住まいの自治体に確認するのが安心です。

末期がん患者さんの介護施設費用チェックポイント

末期がんの方が介護施設に入居する場合、相場を知るだけでは安心できません。実際の契約にあたっては「どの費用が自分たちにとって重要か」を整理することが必要です。

ここでは確認すべき代表的な視点をまとめます。

入居一時金と月額のバランス

入居一時金は初期費用としてまとまった額が必要ですが、その分月額が抑えられるケースもあります。逆に、入居一時金が不要な施設では、月額が高めに設定されていることもあります。

「一時金を払ってでも月々を軽くするか」「初期費用を抑えて柔軟に動くか」、家族の資金計画に合わせて選ぶことが大切です。

追加費用の条件と透明性

月額利用料に含まれない費用がどの程度あるのかは、施設によって異なります。

これらを事前に確認することで、想定外の出費を避けやすくなります。

制度を組み合わせて実際の自己負担を試算すること

介護保険や医療保険、難病医療費助成制度、高額療養費制度などは併用できる場合があります。制度を組み合わせてシミュレーションすると、実際の自己負担額が見えてきます。

「制度を使う前の費用」と「制度を活用した後の費用」を比較することが安心につながります。

まとめ

末期がんの方が介護施設に入居する際の費用は、入居一時金の平均が約145万円、月額利用料は約17.7万円（医療費別途）が目安です。さらに食費や医療材料費など追加で発生する可能性があるため、全体像を把握しておくことが重要です。

介護保険や医療保険に加えて、高額療養費制度などを活用すれば、自己負担を大きく抑えられる場合があります。

つまり「相場を知ること」と「制度を組み合わせること」が、安心して施設を選ぶ第一歩になります。

レガートケアグループでは、末期がんの方に対応した医療連携型の施設をご案内しています。空室状況や即入居の可否なども含めてご相談いただけますので、まずはお気軽にご連絡ください。